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校舎の屋上で空を見つめていたつもりが、寝ていました。
こんなことはしょっちゅうなので、別に気にもしません。
寝る前の空の雲の流とは、あきらかに違う雲の動きの速さ。
そういえば台風が接近しているはずでした。
遠くから黒い雲が近付いてきます。
見上げているうちに、大粒の雨が顔にぶつかってきました。
ぼと。ぼとぼとぼと。
まっすぐに容赦なく、恭弥にぶつかってくる雨粒は、まるで非難しているよう。
恭弥の顔は、やがて泣き出したかのようにずぶぬれになりました。
忘れたいことがありました。
傷ひとつなく自分の前に戻ると信じていました。
でも、剣を持つのもおぼつかない。
いまにも崩れ落ちそうな傷だらけの体に成り果てた、自分が強いと認めたものの姿。
声もかけずに、意識が遠のきそうな彼を乗せた車を見送りました。
見なければよかった。
戦友のような気持でいました。
倒れているのが信じられませんでした。
だから全員まとめてかみ殺してしまえばよかったんだ。
きりっと噛んだ唇。
血がにじむことも気づかずに、そのまま街をさまよいました。
誰かの声が聞こえました。
「ツレの強くなった姿を見るのも勉強になるんじゃないのか?」
あの金髪の声です。
強い。彼も確かに強い。
だけど自分が強いと認めたのは、悔しいけれども認めたのは・・・・。
ざあああああ。
降り止まない大粒の雨はやがて雷鳴を連れ出しました。
ずぶぬれの姿で屋上に立ち尽くします。
制服が重いから動けないのではなくて。
自分でも見えてこないこの胸のもやもや。
この雨で流すことができたなら、どんなに楽でしょう。
きみのことばかり考えるなんて。一体どうしたんだろう。
このままでは家にも帰れません。
この思いに出口はあるのでしょうか。
どうしたら光が見えるのでしょう。
轟く爆音。光る稲妻。答えは誰が持っているのでしょう。
止まない雨。流れ続ける黒い雲。冷えていくからだが、たしかに誰かを求めていました。
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詩を書くことで自分を見直したりします。
なぜか男子目線な詩を書きますが、自分を癒すだけじゃなくて。あなたを癒せたらいいなあ。
邦楽(アジカン・バンプ・ラルクとか)大好き。
猫好き。チョコ好き。